Hirofumi Yoshida - 吉田裕史

吉田裕史

吉田裕史:指揮者

東京音楽大学指揮科及び同研究科修了。ドイツ・イタリアで研鑽を積み、2007年ローマ歌劇場カラカラ浴場野外公演を指揮、2010年1月よりマントヴァ歌劇場音楽監督に就任。

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2007年2月15日 12:49

インタビュー

トリエステ地方紙 《IL PICCOLO》 2月5日に掲載されたインタビュー記事

トリエステ アントニオ・マルケス舞踏団に息吹を吹き込む指揮者、吉田裕史

《いまこそ船出、ヨーロッパへ漕ぎだす時!》


指揮者、吉田裕史にとってこのトリエステ歌劇場でのバレエ公演は二年連続。

トリエステの歌劇場オーケストラは申し分のないプロフェッショナルなテクニックをもち自分との相性もよく、何より昨年のデビュー公演の好評がスムーズな再演に結びつきました。 昨年のカルラ・フラッチ率いるローマ歌劇場バレエ団公演に引き続き、今回、同劇場にてアントニオ・マルケス舞踏団とのコラボレーション。バレエが崇高な芸術のひとつであることは否めませんが、わたしの目標はあくまでオペラ作品を演奏していくこと。経験をいかして確実に一段ずつ上っていけたらと思っています。


しかし、流暢なイタリア語ですね?

イタリア生活、けっこう長いですからね。現在、ローマを拠点に活動しています。


昨年はローマ歌劇場のバレエ団とのコラボレーションが評価されて一躍脚光を浴びましたね。

ラヴェルなどフランス音楽をもちいた点では昨年同様なのですが、ドビュッシーの音楽と純粋なバレエとの絡みはより繊細さが求められたことを記憶しています。


あなたにとってバレエとオペラ、指揮台でどのような違いを感じていますか?

バレエ中心に考えた場合、他に比べて準備期間の少なさが問題ですね。慎重な譜読みをこなしながらもダンサーが到着し最初の合わせが行なわれる時、リズムやアゴーギク、休符やアクセントにまで彼らの要求に応じなければなりませんので合意のためには本当なら十分な時間が必要なのでしょうが...


それはトリエステでの公演時にも当て嵌まることですか?

もちろんです。ただ、カルラ・フラッチやアントニオ・マルケスのようなカリスマ振付け師がいてくれたら、案外話ははやいんです。彼らの特出したアイデンティティが必ず反映されてきますので合意まであまり時間を要しませんね。


あなたのキャリアは、ひとつの有名なコンクールから始まっていますが?

ベラ・バルトーク国際オペラ指揮者コンクールですね。彼の生地ハンガリー(現在ルーマニア領)で得た成果はもちろんよく憶えています。今年また同地に戻りそこの指揮台に上ることになっています。しかし必ずしもコンクールがアーティストの経歴を決定付けるものではありません。劇場に入り、オーケストラの前に立ち、よき師によき指導を仰ぐことがなにより重要です。わたしはミュンヘン、あるいは現在暮らすローマで実りある時間を過ごしました。この夏、ローマ・カラカラ浴場での『道化師』を任されましたが、これも様々な経験から生まれた成果のひとつだと思っています。


経歴上、特定の任に就かれていたオーケストラなどがありましたらおしえてください。

黒海沿岸にアディゲア共和国というあまり知られていない小国があるのですが、そこの首都マイコップにあるオーケストラと関わりがありました。契約の期間内に発端した近隣国の治安情勢の悪化、渡航時の安全面の不安、それに合せて片道30時間にも及ぶ日本からの旅を考えた場合、継続は容易ではありませんでした。現在、日本には27にも及ぶプロフェッショナルなオーケストラがありますので、活動に身を委ねることに不自由は感じていません。そして、わたしの掲げる目標はあくまでクラシック音楽の本拠地で敬愛するモーツアルト、プッチーニの作品を演奏することにあります。このヨーロッパのいたるところで...

(邦訳:堂満 尚樹)