Hirofumi Yoshida - 吉田裕史

吉田裕史

吉田裕史:指揮者

東京音楽大学指揮科及び同研究科修了。ドイツ・イタリアで研鑽を積み、2007年ローマ歌劇場カラカラ浴場野外公演を指揮、2010年1月よりマントヴァ歌劇場音楽監督に就任。

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2010年7月18日 09:15

オペラのリハーサル

Turandot piano prova 15082010.JPG

これはある一日(7月15日)のトゥーランドットのためだけのリハーサル・スケジュールです。

 

指揮者によるリハーサルはProva musicale(音楽稽古)と呼ばれますが、この日は11時から14時までの3時間でした。 そして1時間半の昼食休憩(イタリアでは日本より少しばかりランチタイムが遅めです)を挟み、15:30から19:30までの4時間がProva regia(演出稽古)で、この日はAtto1(一幕)のみをとても丁寧にリハーサルしました。

 

ほぼ毎日、約一ヶ月間に渡って、こうしてオペラのリハーサルは進んでいきます。 素晴らしい声と音楽を持った歌手たちとのリハーサルは、とても実り多きものです。また、休憩時間に彼らと雑談すると、とても興味深い経験談を聞けます。 例えば、今日はカラフ役のテノール歌手イアンさんと話しましたが:

 

イアン: 「最近、トリスタンとイゾルデを、6 "プロダクション" に出演してるんだ。」

 

私: 「?!!  6 "公演" じゃないの?」

 

イアン: 「いや、それぞれ異なる 6 "プロダクション" だよ。 公演数は、全部で30くらいかな。ベルリン(国立歌劇場)とスカラでダニエル(バレンボイムのこと)と、ジェノヴァでジェルメッティと、チューリッヒでメッツマッヒャーと、えーと、それから今ちょうどデュッセルドルフで歌っているんだけど、、マエストロ、申し訳ないけれど明日から3日間だけここを離れて(デュッセルドルフで)歌ってきます!」

 

私: 「(驚き) わかった。 でも、トリスタンからトゥーランドットに頭を切り替えるのが、大変だね。 しかも、トリスタンはテノールにとってかなり "重い" 曲だよね?」

 

イアン: 「いや、トリスタンは僕にとって本当にはまり役なんだ。 あの曲ならいくらでも歌えるし、頻繁に歌っているほうがかえって声の調子を保てるんだ。 よく2幕を20分くらいカットして演奏する指揮者や演出家がいるけど、僕は反対だな。 全部、歌わせて欲しいよ、、トゥーランドットの3幕もカットなしで全く問題ないから! ところで、この前ロンドンでエレクトラをゲルギエフとやったんだけど、、、(以下、延々と続く)」

 

Ian Storey、最高に素晴らしい声を持ったテノールです!